コハリスゲ

カヤツリグサ科 スゲ属

 
2022.5.25 静岡県   2022.5.25 静岡県


山地のブナ帯からシラビソ帯の林床などに生える多年草で、叢生し、全体に柔らかい。根出葉は細く、葉幅は1ミリほど、鮮緑色、両縁はややざらつく。基部の鞘は淡褐色。
有花茎は高さ10〜20センチで、鈍い稜があって平滑又は多少ざらつき、軟らかい。小穂は1個が頂生し、雄雌性、長さ3〜5ミリ、幅3〜5ミリ、先端部にはごく短い雄花部がある。果胞はやや扁平で長卵形、ほとんど無脈で無毛、熟すと開出する。雌鱗片は果胞より短く褐色、鈍頭〜鋭頭。痩果は楕円形〜卵形で長さ1.5ミリほど。柱頭は3裂する。花期は6〜8月。北海道、近畿地方以北の本州、四国、九州に分布する。

〜徒然想〜

本種をアップするにあたり、近似種を調べなおしてみました。「西宮の湿生・水生植物」には近似種の比較表があり、すばらしい資料になっています。
本項ではこのうちマツバスゲハリガネスゲヒカゲハリスゲのみが収載されていますが、コハリスゲと前3種との違い調べてみました。
マツバスゲとハリガネスゲは雄性部が長いので、違いは明らかです。
ヒカゲハリスゲは雄花部がきわめて短いなど、本種とよく似ている部分が多く区別は難しいです。
小穂と果胞の長さ、形はほぼ同じです。
違いをピックアップしてみると、本種は果胞数がやや少なく、果胞はほぼ無脈で無毛(ヒカゲハリスゲは目立たないが細脈がある)、嘴部が短い、雌鱗片がより短いなどが挙げられました。
これに合致する画像が本項に収載したものですが、未だ疑問も残っています。

−同じ科の植物−


2022.5.25 静岡県
葉鞘の基部は淡褐色です
 
  2022.5.25 静岡県
雌鱗片は果胞より短く、褐色です
花茎には稜があり、ざらつきます
 
 
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 雌鱗片は脱落しやすいです
果胞は先が尖り細脈があるようにも見えますので、?です(ヒカゲハリスゲの特徴になりますので)
  
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