亜高山帯の日当たりの良い草地などに生える多年草で、高さは3〜8センチ。葉は根元に2個付き、披針形〜広卵形、先はやや鈍頭、縁は全縁。
花は茎頂の総状花序に3〜4個付く。苞は卵形で、長さ1.5ミリほど。背萼片と側萼片は披針形、淡黄緑色、長さ4ミリほど。側花弁は糸状で後方に巻き、長さ5ミリほど。唇弁は倒卵形、暗紫色で紫褐色の筋が入り、長さ4ミリほど、先は微細な突起があり、基部はくぼんで、中部から先はやや内巻きになる。蕊柱は内側に湾曲し黄色、葯は卵形。花期は6〜7月。本州(岩手・栃木・山梨・長野県)に分布する。
〜徒然想〜
1度目はみつからず、2度目は情報を再精査しての花探しです。みつけられるか不安をもって歩を進めます。
そこで幸運がありました。10年ほどご無沙汰した愛知の花仲間と遭遇したのです。互いに“やぁ!やぁ!”です。詳しい自生地も知っているようで、不安は吹き飛びました。
ヒメスズムシソウは思いの外小さくて、草地に紛れていました。1つみつけ目が慣れてくると、その後もいくつかみつかりました。念願の撮影タイムです。
花はクモイジガバチによく似ていると思いました。唇弁はクモイジガバチほど赤みが強くなく、三角状でもありません。また、唇弁の基部は上方に巻き上がりますが、先端部は下部に巻いていました。
−同じ科の植物−
|