ハコネクサアジサイ

ユキノシタ科 クサアジサイ属 
    APG分類ではアジサイ科

 
2025.8.9 静岡県熱海市
葉は対生します
  2025.8.9 静岡県熱海市
装飾花は数個あります


やや湿った林下、林縁などに生える多年草で、高さは10〜36センチ。葉は対生又は互生し、狭披針形、先はやや尾状の鋭尖頭で基部はくさび形、葉の側脈は片側に46本、縁は片側に7〜16個の鋸歯があり、両面に白色の毛を散生する。
花序は頂生して集散花序となり、淡紅色〜白色の花を多数付け、花序の周辺には数個の装飾花がある。花弁は普通5個、倒卵形〜広倒卵形、円頭で、淡紅色〜白色、長さ2.5〜3ミリ、開花時には平開する。雄しべは20個ほど、花柱は3個。装飾花は卵形で長さ7〜18ミリ、淡紅色〜白色の花弁状の萼片からなる。花期は7〜8月。神奈川県西部〜静岡県東部に分布する。

〜徒然想〜

クサアジサイを掲載した際に、箱根近辺には葉が対生するハコネクサアジサイがあることを知り、画像の一部がこれにあたるのでないかと疑いました。クサアジサイと思い撮影しているので、鮮明な画像ではありません。それを確認するため再度同地域に出かけてきました。

ハコネクサアジサイは、神奈川県箱根周辺、伊豆半島〜愛鷹山方面に見られ、葉が対生し、矮小化するのが特徴です。そしてその後調べると、「神奈川県植物誌2018」では初め対生も直ぐに互生となると記されていて、必ずしも対生が必須でないことを知りました。
では、両者の違いは何なのか? 同誌の分類表では、クサアジサイは葉が長楕円形で鋸歯は1538個 、ハコネクサアジサイは葉が狭披針形で鋸歯は716個とあります。
本種を撮影した同日同所では、互生のものも撮影しています。鋸歯は少ないです。となれば、こちらも本種ではないか判断できます。ただ、葉幅は狭披針形といえるほどではありません。

−同じ科の植物−

2025.8.9 静岡県熱海市   2025.8.9 静岡県熱海市
花弁は5個、雄しべは20個ほど、柱頭は3岐します 装飾花弁は倒卵形です  
 
 2025.8.9 静岡県熱海市    2025.8.9 静岡県熱海市
葉表 鋸歯は左側は10個、右側は8個でした 短毛が疎らにありました  
 
 2025.8.9 静岡県熱海市    2025.8.9 静岡県熱海市
 葉裏は白色でした 疎らに短毛がありました  
 
 2025.8.9 静岡県熱海市    2025.8.9 静岡県熱海市
 葉が互生のもの 花は白色です  鋸歯は少ないですが、葉は細くありません
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