ウメガシマテンナンショウ

サトイモ科 テンナンショウ属

2025.4.22 山梨県
この個体は高さ70センチほどでしたが、
25センチほどのものもありました
  2025.4.22 山梨県
仏炎苞は全体が緑色で白筋があります


山地の林下、林縁などに生える多年草で、高さは30~80センチ。雌雄偽異株で雄株から雌株に完全に転換する。鞘状葉や偽茎部は淡褐色で斑はやや赤味が強い傾向がある。偽茎部は葉柄部よりはるかに長く、開口部は襟状に広がる。葉は2個で、中国地方では1個もある。葉身は鳥足状に分裂し、小葉は7〜15枚、披針形~狭楕円形、両端は尖り、しばしば細鋸歯がある。
仏炎苞は葉身よりやや早く展開し、全体緑色、縦の白筋があり、筒部の口辺部は耳状に広がらない。舷部は卵形~広卵形で、基部がやや横に張り出し、 微細な凹凸がある。舷部内面は乳頭状細突起があり、ざらつく。花序付属体は淡緑色、有柄で棒状、直立する。果実は秋に赤く熟す。花期は45月。富士山の西側の山梨県・静岡県、及び中国地方、兵庫県 に分布する。

~徒然想~

本種については、掲載済みであったもののホソバテンナンショウの誤りであり、削除した経緯があります。
両者はよく似ていますが、本種は仏炎苞が明るい緑色で舷部は大きく、開口部は耳状に広がらず、付属体が太いなどの違いがあります。決定的に違うところは、舷部内面に乳頭状細突起がありザラザラしています。ホソバテンナンショウは、マムシグサ節の中では一番ツルツルしています。
以上はご指導いただいたO先生の受け売りですが、改めて感謝申し上げます。

観察地ではホソバテンナンショウが多いものの、“仏炎苞の開口部は耳状に広がらない、付属体が太い“ を指標に探してみました。すると良くしたもので、次第に一見して両者を見分けられるようになってきました。ただし、中間的で、迷うものもありました。

-同じ科の植物-

 2025.4.22 山梨県    2025.4.22 山梨県
 筒部の口辺部は耳状に広がりません 
付属体は、左はやや細めですが、ホソバテンナンショウより明らかに太いです
  
 
 2025.4.22 山梨県    2025.4.22 山梨県
舷部は凹凸の筋があり、先は尖り、ときに縁が紫色を帯びます   
 
 2025.4.22 山梨県   2025.4.22 山梨県 
 舷部の内側はザラザラしていることがホソバテンナンショウとの決定的な違いということで触ってみましたが、
最初はそのザラザラ感が分かりませんでした
  
 
 2025.4.22 山梨県   2025.4.22 山梨県 
舷部内側を顕微鏡モードで撮影し、微細な乳頭状細突起があることが分かりました  
 
 2025.4.22 山梨県   2025.4.22 山梨県 
 偽茎部の開口部は襟状に開出しますが、個体差がありました  
 
 2025.4.22 山梨県    2025.4.22 山梨県
葉は披針形~楕円形のものがありました  
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