ハグロスワスミレ

スミレ科 ミヤマスミレ類

エイザンスミレとタカオスミレの自然交雑種。葉は浅裂〜中裂の切れ込みがあり、両面には毛が多い。花は淡紅紫色〜白に近いものまで変化がある。側弁は有毛。花期は4月。

〜徒然想〜

タカオスミレは、ヒカゲスミレの葉が黒く変化したもので、東京都の高尾山周辺にはよく見られます。エイザンスミレは、タチツボスミレと同様に日本の各所でよく見られるすみれです。この両者を親とする交雑種がハグロスワスミレですが、両親が比較的多く見られる割には、その交雑種はなかなか出逢えません。
ある先達者の説です。両親が少ないと、やむを得ず他の種と交配し雑種を作るのではないか、両親が多すぎると、その間もない、というと説です。いかがでしょうか。
車で走った近くの場所ではタカオスミレが足場もないほど群生していました。その中には、いくら探してもハグロスワスミレはみつかりませんでした。もちろん、エイザンスミレも近くで見られます。一方、ハグロスワスミレの撮影地の傍らには、両親は見られませんでした。説に納得するものがありました。

なお、この地のハグロスワスミレは、果実期には葉が緑色に変化するようです。タカオスミレは緑色に変化することはありません。

−同じ科の植物−
2016.4.6 群馬県

7年ほど前に高尾山でハグロスワスミレをみつけたとのブログを見て、翌年以降何回か探し回りましたがみつかりませんでした。
そして今年2025年、久しぶりに発生したとの花仲間からの情報で、飛んでいきました。
確かに、葉の茶色がやや薄いもののハグロスワスミレです。 しかも2株あり、3花と5花を付けています。懐かしい想いで対面を楽しみます。気が付けば、目の前には撮影者が待っています。長居したことを詫びて譲ります。

隣には片親のタカオスミレがありました。しかし、ここ数年この場所でのタカオスミレとエイザンスミレは数を減らしているように思えます。上記の説のとおり、両親が減ったことがハグロスワスミレが発生した理由がもしれません。

2016.4.6 群馬県     2016.4.6 群馬県  
 2016.4.6 群馬県    2016.4.6 群馬県(画像にポインターをおいてください)
2025.4.9 東京都高尾山
左隣には片親のタカオスミレがいます
2025.4.9 東京都高尾山 2025.4.9 東京都高尾山
2025.4.9 東京都高尾山 2025.4.9 東京都高尾山
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